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氷をかき分けて
毛蟹
木村さん
流氷
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第71回
「心身とカメラの不調続き」
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オカメブンブク
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ホタテに寄り添う
ミミイカ
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Photo and essay * Photographer * JIMMY 工藤氏
体調が何時もベストで調子の良い事は続かない事を、いまさら持って認識しました。何時までも若いつもりでいても、夏には初孫が生まれる予定だし、確実に歳を重ねています。
3月15日の仕事を終え、夜から知床半島「羅臼」に向かうのですが、熱は無いのですが何かねつっぽく、だるく風邪のような全身症状を覚えます、首や腰の関節が痛く、背中の筋肉が痛む。頭が重くボーットする。喉は痛くないので何時もと同じように食事をしたのですが、食欲減退。何時も食事中には自家発熱するのですが、食後も体は暖まらず冷たいまま・・。
変な胸騒ぎ。行こうかどうしようかためらいつつ。
ダイブショップ企画の撮影ツアーですから、運転をしなくて良いから、体を休めるつもりで自分に言い聞かせ。車を修理に出しているので、娘にダイブショップまで送ってもらったのです。
総勢9名の参加者です、遠くは浦川や旭川からの方もいらっしゃいます。羅臼に行く道すがら何時ものようにコンビニで「黒ラベル」を6本買いこみ飲みましたが、まるっきり美味しく飲めない。昔喫煙の習慣があったのですが、風邪を引いた時にはまるっきり体が受けつけなかったのと同じように、飲みこむと体が嫌がっています。大好きな黒ラベルも時間を掛け1本飲むのがやっと…。
車中は暖房が効いているにも係わらず寒い、寒いが我慢我慢、ドライバーの金ちゃんは半そでのTシャツ。そうこうしながら、到着時刻は2:00AMすぎか、8時間弱で札幌から知床半島羅臼の「きくや旅館」に到着しました。早々に冷たい煎餅布団に潜りこみ寝た。
翌朝起きると完全やられています、食欲がないのでとりあえず「風邪薬」と「鎮痛解熱剤 ボルタレン」を飲むべく、無理やり砂を噛むようなチョコパンとコーヒーを流し込みました。今日は駄目だな〜。はっきり言ってこのまま入ったら死を予感するので諦めました。
皆の食事中、暇なので食堂の窓からボーット遠方を覗くと沖合いに流氷郡が見えます(遠視と老眼を併せ持ち、裸眼でも遠方が良く見えるのです)それを言っても誰も信じない、一緒だった木村さんが、双眼鏡を覗いてあ・「流氷」の言葉に皆一様に驚いたのです。本当に流氷はあるんだよ、しかも嘘つきではないよと心に言った・・。
皆は流氷接岸を目の当たりにして、ダイビングの話しで盛り上がっています、それに比べ私ははっきり言って死んでいます。今日はきっぱりと諦めゆったりと時間を過ごす事にしました。青天の霹靂で登山家の気持ちも判らないではいられない。
今日は素晴らしい快晴、ダイビング後の話しは綺麗だった流氷の話で持ちきり。こんなに悔しい事ってあんまりありません。その日の夕食頃からは体力も回復し食欲とアルコールも飲めるようになり、少しだけ自信を取り戻せそうです。
翌 日曜の朝早く6時頃でしょうか同室の青年、大蔵さんが起床しその物音で、目が覚めました。体調はGOOのような気がします、食欲も子ども元気です。
ローソク岩に近づくにつれ昨日の流氷はすっかり消えうせています。がくん。
近づいて海岸線に下りて見ると、流氷がローソク岩からトド岩まで一部が留置しているのです。今日も天気が良いし、心弾ませて潜る前に心がはやります。
ボーっとして体調が幾分良くないせいか、失態を2度演じました。
1 まずファーストレギュレーターを上下左右逆に付けました
2 カメラを2台持って移動中にフィンを持つ事を忘れたのです
これを修正するだけで相当体力を使います、本当に心身ともに酸欠、脆弱になってしまいました。この小さな事件が「プレリュード」に過ぎなっかったのです。その後な・なんと大事なカメラ2台ともがいう事を聞いてくれず、故障したのです。
ガイドの関さんに続き、流氷を避け掻き分けエントリー。直ぐに大砂原斜面に普段 は岩盤にへばりついて生活している「オオバンヒザラガイ」が、砂漠の中にぽつんと。
きっと流氷の圧力で剥がされ、流氷とともに移動し転げ落ち死に、それを食い漁る バフンウニが食事をしているシーンが眼に映ったのです。
早々に60mmマクロのカメラを持ちシャッターを切るのですが、ストロボが光りません、もう一度カメラとストロボのセッテイングを確認して切りましたが、同じ症状です。後から帰ってテスターで調べると、シンクロコードとその接合部分が水没(修理に24Kも掛かった)。
も〜と 腹を立てつつ、こんな時にもう一台のカメラがあると押さえが利くのです。と自分自信に自慢げにもう一台のワイド系24mmのカメラを持ち替えたのです、じゃがこの日に限って問屋が許してくれなかったのです。
最初の6〜枚位はちゃんとシンクロしてくれたのですが、どんどん変になっていきます、スローシャッターになり、かなりやばい状態。帰ってテスターを当てると何でもありません。組みつけなおしをしてみるとちゃんと作動するのです。もちろん旅行前には全てのセッティングとテストを済ましているにも係わらず・・。2台ともおじゃんだったのははじめてでした。羅臼の氷点下の厳しい環境にカメラ・ストロボはたまた私までも、本当にこの度の撮影は苦渋を舐めたのです。たまには良い薬かもね、Jimmyにとって。
続く...........。 |
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