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流水3


倉沢さんを囲んで


救出に失敗したカジカ


流氷4


船を着けた流氷


野生の帆立貝


サラサエビの仲間


記念写真


ドリフトアイスランチ


流氷から離岸

連載エッセイ

第31回
「ドリフトアイス・ランチ」

黄昏て本土を望む
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流水1
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流水2
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波の音聞けます

Photo and essay * Photographer * JIMMY 工藤氏


クリオネを撮影した翌年3月に札幌のダイビングショップ「ZOO」さんの企画で、知床ツアーがあり、参加しました。
知床は札幌から車で13〜4時間かかり、運転も大変ですから今回は楽な企画に参加しました。
知床のダイビングサービスを手がけている「知床ダイビング企画」代表の関さんに今回も、お世話になります。

関さんの所では、最近立派な元「特攻船」を購入しドリフトアイス・ダイビングを始めました。
今までの流氷ダイブは流氷が接岸し、海が開いている、部分を探し、又は切り開き入るのですが、この船のおかげで、流氷を追いかけて船を接岸、流氷の下を「一緒にドリフト」しながら潜水するのです。
東京からはダイビングショップ「ケン」さんチーム。

東京出身で襟裳岬に棲みついてしまった有名水中写真家「倉沢」さん。
私の加盟するショップ「ZOO」の仲間達と乗り込みました。
今日は流氷が本土からはかなり離れています、ちょうど手ごろな大きさの流氷を見つけ接岸し、ダイビングの用意をします。

今回は天気が良く最高のロケーションでしたから、うきうきしながら潜りますと、漁師が捨てた網にがんじがらめに絡まっていた、カジカが目に入りました。
今日はいい被写体に恵まれついてるぞと思い撮影していたのですが、ファインダー越しに見るとうつろな目で私に問い掛けてくるのです。

「おお・・・お願い、たすけてー」……・と、声にならない声が聞こえます。
気のいい私は、黙っていることが出来ずにカメラからナイフに持ち替え、網を切るのですが、魚網は以外と丈夫に出来ているのと、切り方がへたくそで、なかなか切れません。
そのうち呼吸が荒くなり、レギュレーターがフリーズ「凍結」してしまいました。

そうなると、レギュレーターはセーフテイー構造が働きフリーフローといい、エアーが止まるのではなく、出つづけるけるのです。
結果は誰にでも分かると思いますが、タンクのエアーがすぐになくなります。
ですから浮上しなければなりません。

たった今潜水したばかりで、残念ですが救出劇は諦めて、浮上しました。
「もう少しで皆にお土産の自慢話ができるところだった」私も初めてのフリーフローの経験、超ー勢いのいい空気の流量で、水面までエアーが残ってくれるか不安がよぎります。

又マウスピースが口から飛び出しそうな勢いのなか、私はカメラを2台持っているので、レギュレーターを押さえるのが、せい一杯です。
おかげで次世代に告げる御教訓が出来ました。

◆御教訓◆
其の1 絶対魚に哀れみを掛け助けない
其の2 器材は絶対安全でない
其の3 自分の命は自分で守る、陸に限らず、空に限らず、当然海にも該当します
其の4 かっこつけてカメラは2台持たない、いるんですよ、そういう人
さーて水深20メートル15分間の楽しいダイブが終わり流氷の上でランチタイムです。

世界広しと言えども珍しい「ドリフトアイス」の上で沢山の若い女性に囲まれ「ランチ」が食べられる幸運に恵まれました。

お弁当はそこいらへんの仕出し屋さんで作った金500円の普通の弁当で、感動も何も無かったのですが、一緒に付いてきたインスタントのカップうどんが美味しくて、いつもは、化学調味料の入ったものは口にしないのですが、この時ばかりは別です。

理由付けは別として、暖かく美味しく、頂きました。

続く........。

次回は「コスラエ」を予定しています。
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