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海草に隠れたベロ


クダヤガラの群れ


岩と同化

連載エッセイ

第14回
「寿都の海」

幼いタナゴ達
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海草に隠れた蟹
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波の音聞けます

Photo and essay * Photographer * JIMMY 工藤氏


昨日早朝出発し、島牧郡寿都町に向かいました、今日は先週の焼尻島の天気と うって変わり久しぶりのいい天気です、なんかいい予感を感じつつ、車に揺られな がら到着しました。

此処は少し、島牧寄りの海岸で、ある漁業家の前浜です、国道沿いの断崖の上 に車を駐め、断崖の上からダイビング器材を下に降ろすのですが、手作りの荷物用 の小さなロープウエイが有り、楽々降ろしましたが、さあ本人と大切なカメラは人に 任せられないので、手に水中カメラを持ち背中に貴重品を背負い、下降です。
まだ リハビリー中の身の上です、かなりきつく足がガク、ガクとなり、悪くない左足までが かなりの負担を感じつつやっと到着しました。

此処は明治時代に鰊がたくさん取れた時代があったそうで、当時の色々なお話を聞くことが出来ました、その中で地形について少しお話します。
崖の上から見ると、全国のあちらこちらで「千畳敷」と言う地名にあるのと同じ大 きな岩の連なりの中に、昔手作業で、船着き場や鰊の荷揚げに使いやすいように 水路を上手に掘ってありまして、真ん中に中の島を設けに水路を縦横に切ってあります。

後程ダイビングした経路を思い出しながら上から見てみるとあの綺麗な海は昔漁師達の手によって作られた事実に驚きました。

さて予感を感じつつ海に入ったのですが、入り際は漁師さんのウニ漁で殻を剥いた汚れが堆積していて、歩くと粘土の中に足を突っ込んだようにぐちゃぐちゃし、「ヘドロ」で真っ黒です。悲壮な気持ちになりながら進んでいくと、しばらくぶりに見 る綺麗な海が広がっていたのです。

海は天候や潮の干満、風邪の影響、生活排水など色んな影響で年々透明度が悪くなっていくのを感じざるおえません、今日は沖縄の南方に位置するケラマ諸島の海を思いおこすに十分な透明度と、魚の稚魚の群れが沢山泳いでます「タナゴ」「鯵」「クダヤガラ」「スズメダイ」の幼魚たちが群舞してます。

又ここには十分な海草が繁茂していてカメラアングルの丁度背景に収めることが来、 久しぶりに感動を覚えました、水温も高く22度ほど有り、約90分の潜水でしたが、 フイルムを使い切りもったいないことをしました、足が良ければ2台持って行くのですが………。

漁師さん曰く、ここ6日ほど海が時化ていてウニ漁がなく、今日が今年最後の最高のウニ漁で、市場も今日は休みなのだが開けてもらって出荷をしたそうで、明日から は来年度の漁の稚貝を島牧の方から持ってきて移植するそうで漁師さんものんびりやっているようですが、中々どうして大変だなーと思った一日でした。

つづく...。
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